機動力と地形抵抗のお話:ターボチャージャーか?追加グローサーか?
前置き
今回は某掲示板で出たお話の備忘録です。
発端は自分がChimeraに乗っていて、機動力を補強しようとターボチャージャー(以下タボチャとします)を搭載した時のことです。
Chimeraの数値上の最高速は50km/hであり、加速は鈍いものの実最高速も50km/h出ていたため、タボチャを搭載すれば55km/h出るのではないかと期待しました。
しかし結果として加速は多少良くなったものの整地で55km/h出ることはなく、なんで???と思い掲示板で相談したところ、以下のトピックを紹介されました。
要約するとarmor inspectorは地形抵抗の単位にを用いており、このトピックではそれが正しいと仮定して速度と地形抵抗を関連付ける式を立てています。
計算式
前述のトピック自体は非常に古いですが、変更が加えられていなけば現在でもシステム自体は同じものでしょう。
トピックによると速度と地形抵抗を関連付ける式は以下になります。
この式を単位を考慮に入れ整理すると以下の式が得られます。
1. ()
式1より、加速度はより速度に反比例して減少し、
となったとき、加速度は0となり最高速度に達すると考えられます。
この時の最高速度を実最高速とし、これはゲーム内で提示されている最高速度と同じとは限りません。
実最高速は式1を移項し整理すると以下の式で表されます。
2.
以上の計算式は傾斜の無い平地の場合の式であり、登り坂などでは傾斜によって係数がかかるため加速度、実最高速はそれによって変化します。
結論
式1,2からわかることは実最高速はスペック上の最高速度を超えることは無くともそれに満たない可能性もあること、地形抵抗は車両の加速度には(エンジン出力と比べて)影響が小さいということです。
タボチャはエンジン出力を増加させるため、加速度への影響は大きく、最高速度は地形抵抗の影響を大きく受けるため(加速度と比べると相対的に)影響が小さくなります。
逆に追加グローサー(以下グローサーとします)は地形抵抗を減少させるため、加速度への影響は小さく、相対的に最高速への影響は大きくなります。
例えば地形抵抗が良くない車両にタボチャを搭載したとして加速度は向上しますが、実最高速はタボチャの最高速上昇量通りに上がるとは限らず、思った通りの効果が出ない可能性があります。
また全ての車両が上記の通りになるとは限りません。もし地形抵抗が極端に悪い車両が出てきた場合は、グローサーを搭載した方が加速度が良くなる可能性もあります。
拡張パーツを装備した際の加速度と実最高速を計算する簡単なスプレッドシートを作成しました。
上記のリンクを開き画面左上の"ファイル"→"ダウンロード"からDLするか、"ファイル"→"インポート"で自分のドライブに保存して使用してください。
Tanks.ggなどのデータベースから出力重量比と地形抵抗の値を入力すると、勝手に加速度と実最高速を計算してくれます。
拡張パーツ選択の参考になれば幸いです!